• 2018.07.13
  • 声明・決議・意見書

特定複合観光施設区域整備法案(いわゆるカジノ解禁実施法案)に反対し、廃案を求める会長声明

 平成30年6月19日、衆議院本会議において、「特定複合観光施設区域整備法案」(いわゆるカジノ解禁実施法案)が賛成多数で可決され、現在、参議院で審議がなされている。
 当会は、カジノ解禁実施法案に先立ち、平成28年12月15日に成立した「特定複合観光施設の整備の推進に関する法律」(いわゆるカジノ解禁推進法)に対し、民間企業が運営するカジノと賭博罪の関係、マネーロンダリングの危険、暴力団その他反社会的勢力の関与、ギャンブル依存症・多重債務者の増加、青少年の健全育成への悪影響、治安・風俗の悪化といった問題点を含むことから、平成26年11月14日付会長声明において、反対する旨の意見を表明し、平成28年12月12日付会長声明においても、改めて反対・廃案を求める意見を表明した。
 既に当会が指摘したように、カジノ解禁推進法は国民生活に重大な影響を及ぼす諸問題が含まれていることから、カジノ解禁実施法案については、これらの諸問題を解消する内容であることが強く求められるところ、先般、衆議院で可決されたカジノ解禁実施法案については、同法案に基づくカジノ施設の運営が刑法の賭博罪の違法性阻却事由の個々の要件を充足しているのか、その理論的根拠が不明確であるばかりか、顧客が24時間営業のギャンブル施設に、最大3日、72時間滞在することを認めており、多くのギャンブル依存症患者を生み出すおそれがあるほか、マネーロンダリング対策及び暴力団その他反社会的勢力の排除対策としても実効性のない内容となっている。
 したがって、衆議院で可決したカジノ解禁実施法案は、当会が指摘する諸問題を解消する内容になっていないことから、当会は、カジノ解禁推進法に引き続き、カジノ解禁実施法案についても、強く反対し、廃案を求めるものである。

2018年(平成30年)7月13日
            第一東京弁護士会 
会長   若 林 茂 雄

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