• 1997.05.29
  • 声明・決議・意見書

綱紀の保持・粛正と倫理の高揚についての決議文

 最近相次ぎ報道された弁護士の不祥事は、市民の弁護活動に対する信頼を大きく傷つけ、法曹界全体に及ぼす影響は計り知れないものがある。

 弁護士および弁護士会は、弁護士に負託されている使命と職責を自覚し、弁護士に対する市民の期待と信頼を裏切ることなく、より一層綱紀を確保し、高い倫理を保持するためにあらゆる努力を尽くさねばならない。

 この努力を怠れば、市民の信頼を失い、弁護士の職務の自由と独立ひいては弁護士自治を失い、弁護士の職責たる基本的人権の擁護と社会正義の実現が危ういものとなる。

 弁護士は、常に、市民の期待と信頼を念頭に置き、信義に従って行動し、誠実かつ公正に職務を遂行しなければならない。職務の遂行に当り直面する不正への誘惑に負けることなく、倫理を遵守し絶対に不正・違法な行為はしないという強固な意思をもつことが必要である。

 弁護士会は、倫理研修の改善等、弁護士が倫理を遵守し不正・違法な行為をしないという一層の自覚を促す環境づくりをすることが急務である。

 我々は、このような不祥事が二度とおこらないよう、綱紀の保持・粛正、倫理の高揚に一層の努力を傾注する決意である。

平成9年5月29日
第一東京弁護士会
会長 中川 了滋

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