• 2012.02.02
  • 声明・決議・意見書

全面的な国選付添人制度の実現を求める決議

 当弁護士会は、国に対し、観護措置決定によって少年鑑別所等に収容され、身柄を拘束されたすべての少年の事件について、国の費用によって弁護士の付添人が選任される全面的な国選付添人制度を実現するよう、速やかに少年法を改正することを求める。
 以上のとおり決議する。

                                2012年(平成24年)2月2日
第一東京弁護士会

        
決議理由

1 少年事件における弁護士付添人は、少年審判において非行事実の認定や保護処分の必要性の判断等が適正に行われるための法的な援助を行うだけではなく、様々な問題を抱える少年を支援し、少年の更生にとって必要不可欠な家庭・学校・職場などの環境調整や被害者対応を行うなど、少年の立ち直りのための重要な活動を行っている。現在、少年に国選付添人が選任されるのは、検察官関与事件や被害者傍聴事件の場合のほかは、一定の重大事件につき家庭裁判所が裁量によって必要性を認めた場合に限られている。
  日本弁護士連合会は、弁護士付添人の重要性に鑑み、全会員から徴収した特別会費によって少年保護事件付添援助制度を設け、国選付添人制度の対象とならない少年事件の少年や保護者に対して弁護士費用を援助してきた。当会でも少年鑑別所に収容された少年やその保護者からの要請を受けて弁護士を無料で派遣する少年当番弁護士制度を実施してきた。
2 しかし、2010年の司法統計年報(少年編)によれば、審判に付された少年のうち観護措置のあった少年10,639人に対して、弁護士付添人が選任されたのは7,248人で選任率は未61.9%にとどまり、しかも、国選付添人が選任された少年は342人で上記観護措置のあった少年に対する割合はわずか3.2%にとどまっている。刑事裁判手続における弁護人選任率がほぼ 100%であることと比べると、少年審判手続における弁護士付添人選任率は著しく低く、かように少年の権利擁護が不十分な状況は早急に改善される必要がある。
  また、2009年5月から、被疑者国選弁護制度の対象事件が必要的弁護事件に拡大されたことにより、捜査段階では国選弁護人から援助を受けていた少年が、家裁送致後には国選付添人が選任されないために援助が受けられないという制度的な矛盾も生じている。
3 子どもの権利条約第37条(d)は「自由を奪われたすべての児童は、弁護人その他適当な援助を行う者と速やかに接触する権利を有する」と規定しており、家裁送致段階において国選弁護士付添人を選任することにより、適正手続を保障すると共に、更生を支援する制度を設けることは、本来、国の責務である。とりわけ少年鑑別所に収容された少年は、行動の自由を奪われたうえに、少年院送致等の重大な処分を受ける可能性があるため、身柄の早期解放に向けた法的援助が必要であることや、非行事実及び要保護性に関する事実認定の正確性やその他審判手続の適正化を図るためにも、法的な知識及び経験を有する弁護士付添人による法的援助が必要不可欠である。当会は、国選付添人制度の対象事件を、少なくとも少年鑑別所に収容された少年の事件全件にまで拡大するよう国に強く求める。当会においても、このような全面的な国選付添人制度の実施に対応するため、国選付添人名簿の充実を図り、適正な付添人活動のための研修制度を充実させる等、より一層の努力を重ねる所存である。

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