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第五十四回渋谷法律相談センターコラム「相続が発生した場合の銀行口座について、利用できる制度を紹介します」

相続が発生した場合、銀行口座はどうなるのでしょうか。

そもそも金銭を銀行口座に預けている状態について法的に表現すれば、「預金債権」(ゆうちょやJA等で言えば「貯金債権」、以下まとめて「預貯金債権」といいます)となります。これは、金銭を銀行に預けている口座名義人が、銀行に対して、払い戻すよう要求すれば払戻が実現する、という権利を有している状態をいいます。

そしてこの権利については、口座名義人が亡くなったことが銀行に判明した時点で、銀行は、亡くなった方の名義の口座について自由な払戻を認めない状態におきます。このような取扱も、口座名義人が存在しなくなった場合に取引を停止できる、ということについて口座名義人が開設時に合意しているため、銀行が行うことができます。

一方、口座名義人の相続人であれば、銀行口座についての権利について相続するのだから、自らが相続人であることを銀行に伝えることで払戻を認めてくれるのではないか、という考えも浮かびます。

しかし、預貯金債権も相続の対象となる権利であるため、相続人間の話し合いによって、遺産分割、すなわちその権利が誰にどれくらい帰属するのか決めることができますし、被相続人は、遺言によって相続する相続人を定めることが出来ます。このため銀行は、特定の相続人から「その預金債権は遺産分割や遺言によって自分の権利となった」といわれ、払戻をしなければならない場合に備えなければなりません。このため銀行は、遺産分割合意書や遺言等の資料を持っていない相続人に払戻を認めることはありません。

ただし通常、銀行は、相続人全て(被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍を揃えて、全ての相続人であることを証明します)の印鑑証明された印鑑による署名捺印のある、銀行所定の書類の作成によって、払戻を認める取扱をしています。

この方法は、全ての相続人にすぐに連絡がつかない場合には使えず、その場合遺産分割の終了等をまって払戻が実現されることになるため、時間がかかってしまうことになります。

このような難点に対応する制度として、一昨年、民法909条の2が施行されました。

この制度は、預貯金債権のうち、自らの法定相続分の3分の1(各金融機関ごとの上限は150万円)については、単独で権利を行使することを認める、というものです。

すなわち、相続人全員の合意が得られなくとも、自分が相続人であることおよびその法定相続分を示す(上記同様、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍が必要です)ことで、預貯金のうち一定額を単独で引き出すことが出来るようになったのです。

金額の制限こそありますが、単独で行える分、比較的迅速な払戻が実現できる制度ですので、有効な活用が期待できる制度といえそうです。

全国銀行協会のこの制度に関するリーフレット