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第三十七回渋谷法律相談センターコラム「身近な詐欺にご用心」

先日、私の依頼人で任意整理(債務整理の一種で、債権者と分割弁済の和解をすること)をした女性から、「先生、大変です!先生の指示通り債権者に支払っていたのに、総合消費料金未納分訴訟最終通知書というハガキが来たんです。驚いて、それに書いてある消費者相談窓口の電話番号に電話をかけているのですが、ぜんぜん繋がらないんです!」と切羽詰まった声で電話がかかってきました。

そのハガキの画像をメールで送ってもらって見てみると、「民事訴訟管理センター」という聞いたことがない団体が差出人となっていました。住所は「東京都千代田区霞が関...」となっており、裁判所の近くです。

私は、総合消費料金未納分訴訟最終通知書という言い回しもおかしいし、差出人の団体名も聞いたことがない...ということで、ハガキに記載されている差出人名や住所、電話番号をインターネットで検索してみました。

すると、それが、新手の詐欺であるとして注意喚起されていることが分かりました。

そこで、私は、依頼人に、「これは詐欺です。○○さんが、詐欺に引っかかる前に私に電話をしてくださって良かったです。また変なハガキが届くようなら、連絡してください。」と話し、この件は事なきを得ました。

依頼人女性によると、ハガキに記載してあった電話番号には100回くらいかけたけれども、まったく繋がらなかったとのことですので、被害に遭われた方が大勢いるのではないかと心配しています。

私のもとにも、ハガキこそ届きませんが、「還付金があるので、連絡してください。」というようなメールは毎日のように届きます。

通常そのようなメールは無視する私も、差出人欄がAppleとなっていて、件名が「アカウントがロックされている」というメールには驚いてしまいました。

そのメールは、「お客様各位、別の場所からのログインが多すぎる場合に気付きました。(中略)セキュリティ上の理由から、私たちはあなたのアカウントをロックします。これが間違いであると思われる場合は本人確認を行ってください、アカウントのロックを解除するには」と書いてあり、その後に、「ログイン」という部分をクリックするようになっています。

内容は一見本物のようだけど、用心には用心を重ねて、私は、差出人名をクリックしてメールアドレスを表示しました。

すると、差出人のメールアドレスがApple社が使うとは思えない怪しいものであることが分かりました。そこで、私は、ようやく、これが個人情報を抜くフィッシング詐欺の類であることに気が付きました。 

最近の詐欺は巧妙になってきているように思います。

詐取されたお金を取り戻すのは困難である場合が多いので、詐欺にはひっかからないように用心することを心掛けていただければと思います。

もし、不審なメールやハガキが来た場合には、自分一人で対応せず、身近な人や弁護士に相談するのがよいと思います。