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第三十五回渋谷法律相談センターコラム「事業者が一方的に決めているルール(約款)に従わなければならないの?」

スマホを新しく買ったり、クレジットカードを作ったり、銀行口座を作ったり、保険に新しく入ったりしたときに、分厚くて、小さい字で、何かよく理解できないことがいっぱい書いてある「約款」を受け取ることがあります。小さい字でたくさん書いてあるので、読ませないように作っているとしか思えません。渡してもらっても全く読んだことのない「約款」に書かれていることが、通信会社、信販会社、銀行、保険会社等との契約内容になってしまうのでしょうか。

実は、「約款」に定められていることが、よほどひどい内容でもない限り、通信会社、信販会社、銀行、保険会社等との契約内容になっているのです。そこで、携帯電話料金や保険掛金の支払をしなかったり、途中で契約をやめることにしたり、保険金の請求をしたりしたときに、これらの約款での定められていることに基づいて、遅延損害金の請求をされたり、保険の効力が停止されたり、違約金を請求されたり、保険金の支払を拒絶されたりすることが起こります。そうなって初めて「約款」に書かれていたことを知ることになります。

現行の民法では、「約款」についての定めはなく、「約款」に関する明確なルールがありません。そこで、「約款」に関するトラブルは、裁判で個別的に解決されてきました。

来年4月から施行が予定されている改正民法には、「約款」に関する定めが設けられることになりました。「約款」がどのようなときに効力をもつのかが定められ、事業者(提携約款準備者)が「約款」の変更をすることができることも定められます。他方で、消費者(改正民法では事業者と取引する「相手方」と定義されています。)の利益を一方的に害するような内容の約款は、契約内容とはならないことも定められています。

今後は「約款」の効力を争うことが増えるかもしれません。「約款」に基づく事業者の主張を否定するのは難しいことが多いと思いますが、事業者の主張に納得できないときには、弁護士による法律相談を受けてみてください。