• 2017.12.28
  • 声明・決議・意見書

犯罪被害者の実名報道にあたって犯罪被害者やその家族に対する配慮を求める会長声明

 本年10月、神奈川県座間市内において、9名のご遺体が発見されるという事件が発生しました。被害に遭われた方々やご遺族には、心からお悔やみを申し上げます。今回の事件におきましては、匿名を求める遺族もいるにもかかわらず、報道機関によって実名、顔写真、生前の生活状況等が報道され、被害に遭われた方々のプライバシー権や尊厳が損なわれたほか、遺族、友人、知人の自宅や学校にまで取材が殺到し日常生活もままならない状況であるとのことです。
 かねてより、犯罪報道において被害者の実名報道が堅持されるべきか、匿名報道によるべきかについて様々問題提起がなされております。報道機関の報道の自由が最大限尊重されるべきことはもとより当然であり、社会に事件の重みを伝え原因究明や再発防止のためには実名報道が不可避であるとの意見も十分理解し得るところです。
 しかしながら、現代はインターネットが広く普及していることから、ひとたび報道されることによる被害者やその遺族の被るプライバシー権や尊厳に対する侵害の度合いは以前にも増して大きく、その侵害に対する回復は極めて困難となっていることも事実です。
 今回の報道の場合、報道の自由の重要性を考慮したとしても、行き過ぎたものと思われます。
 各報道機関におかれましては、今回の事件を契機に改めて犯罪被害者やその家族のプライバシー権や尊厳に思いを致して頂き、実名報道を行う場合には、その必要性を十分に吟味し、犯罪被害者やその家族に配慮した報道を心がけるよう強く求めます。

2017年(平成29年)12月28日
            第一東京弁護士会 
会長   澤 野 正 明

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