• 2015.03.18
  • 声明・決議・意見書

夫婦同姓及び再婚禁止期間等民法の差別的規定の早期改正を求める会長声明

 本年2月18日、最高裁判所は、夫婦同氏を定める民法750条は憲法及び女性差別撤廃条約に違反するとして男女5名が国に損害賠償を求めた訴訟の審理を大法廷に回付し、さらに、同日、女性のみに6か月の再婚禁止期間を定める民法733条が違憲であるとして女性が国に損害賠償を求めた訴訟についても、審理を大法廷に回付しました。
 国連の自由権規約委員会及び女性差別撤廃委員会は、上記民法750条及び女性について離婚後6か月以内の再婚を禁止する民法733条のほか、婚姻適齢について男女の差を設けている民法731条についても繰り返し懸念を表明され、これらの女性差別的規定の改正に向けて早急な対策を講じるよう要請しています。
 また、平成8年には、当時の法務大臣の諮問機関である法制審議会が、選択的夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を答申しましたが、これらについて現在に至るも法律改正は実現していないばかりか,政府から法案提出さえもなされていないのが現状です。
 民法750条が定める夫婦同氏強制のもとでは、婚姻に際し、夫婦はどちらか一方の氏を選択しなければならず、現状では実に96%を超える女性が結婚に際し改姓を余儀なくされています。
氏名は個人として尊重される基礎であり、人格の象徴として人格権の一内容を構成するものですから(最高裁昭和63年2月16日判決)、婚姻により生来の氏を称することが出来なくなることは明らかな人権の侵害であり、同時に現実の問題として職業上・社会生活上様々な不利益・不都合を被っているのです。真の両性の平等と男女共同参画社会を実現する上で、夫婦同氏の強制は早急に見直す必要があります。
更に、女性のみを対象とする再婚禁止期間については、夫婦や家族が多様化している今日の実情にそぐわないばかりか、科学技術の発達により親子関係の確定が容易になった今日、その必要性は失われており、女性にのみ6か月の再婚禁止期間を設けるのは女性に対する不合理な差別と言わざるを得ません。撤廃を強く求めます。
 当会は、2013年12月に削除された婚外子の相続分を婚内子の相続分の2分の1と定めた民法900条4号ただし書前半部分の改正のほか、上記法制審議会の答申にかかる法改正を多年にわたり求めてきました。法制審議会が民法改正案要綱を答申してから実に19年が経過しており、立法の不作為がその裁量を超えるものであることは明白です。
 
 国会に、司法判断を待たず、立法不作為を改め、民法の差別的規定を改正するよう強く求めます。

2015年(平成27年)3月18日
            第一東京弁護士会 
会長   神    洋 明

一覧に戻る
menu