• 2014.11.13
  • 声明・決議・意見書

秘密保護法施行令(案)及び運用基準(案)の閣議決定に対する会長声明

 特定秘密の保護に関する法律の施行令(案)及び運用基準(案)が本年10月14日に閣議決定された。政府は、本年7月に同施行令及び運用基準の素案をパブリックコメントに付し、これには短期間に2万3820件の意見が提出されたにもかかわらず、素案を殆ど修正しないまま、閣議決定に至った。

 当会は、同法について、主として、行政機関の長の恣意的運用の危険を指摘し、そのような危険を払拭できるような制度的保障が手当てされない以上、報道の自由ひいては国民の知る権利を著しく侵害する恐れがあることから、同法の成立に一貫して反対し、同法成立後も、その廃止を求め、少なくとも適切な第三者機関の設立及び罰則規定の適正化を行うなど、国民の不安を払拭するように強く求めてきた。

 しかし、秘密保護法施行令(案)及び運用基準(案)によっても、これらの問題点は解決されていない。
例えば、同法の別表及び閣議決定された運用基準(案)を総合しても、秘密指定できる情報は極めて広範であり、行政機関の長の恣意的運用の危険は払拭されていない。
 また、特定秘密を最終的に公開するための確実な法制度が無く、多くの特定秘密が市民の目に触れることなく廃棄される可能性は無くなっていない。同法が規定している独立公文書管理監等の制度は、すべての特定秘密にアクセスできる権限を持つとはいえず、また、秘密指定行政機関から完全に独立した公正な第三者とは言いがたい。
 さらに、刑事裁判において、証拠開示命令がなされれば秘密指定は解除されるというものの、証拠開示が命じられるかどうかは、裁判所の判断に委ねられており、特定秘密を被告人、弁護人に確実に提供する仕組みとなっていない。また、秘密保護法違反事件は必要的に公判前整理手続に付されるわけではなく、付されなかった場合には、被告人、弁護人が秘密を知ることなく公判手続が強行される可能性が大きく、適正手続の保障は危殆に瀕する。

当会は、国民の知る権利の制限を最小限にするような制度的保障が手当てされないことなどから、現行の特定秘密保護法については引き続き廃止を求めるものであるが、少なくとも第三者機関の強化及び罰則規定の適正化を行うなど、国民の不安を払拭するよう政府与党に求めるものである。

2014年(平成26年)11月13日
            第一東京弁護士会 
会長   神   洋  明

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