• 2013.11.26
  • 声明・決議・意見書

商品先物取引についての不招請勧誘禁止撤廃に反対する会長声明

  本年6月19日、衆議院経済産業委員会において、証券・金融・商品を一括的に取り扱う総合取引所での円滑な運営のための法整備に関する議論の中で、内閣府副大臣は、委員の質問に対し「商品先物取引についても、金融と同様に、不招請勧誘の禁止を解除する方向で推進していきたい」旨の答弁を行った。しかし、この答弁は、以下に述べるとおり、商品先物取引についての不招請勧誘規制が導入された経緯を軽視し、2012年8月に経済産業省産業構造審議会商品先物取引分科会が取りまとめた報告書の内容にも反するものであって、到底看過できないものである。
  商品先物取引については、2000年から2008年までの間、消費生活相談情報ネットワーク・システム(PIO-NET)に登録されている相談件数が4000件を超えるなど多大な被害が生じていたが、その主要な原因の一つは、勧誘の要請をしていない顧客に対して訪問や電話をかける方法により勧誘を行う不招請勧誘により、商品先物取引の知識や経験のない消費者を取引に引き込んだことにあった。
  かかる被害の実情に鑑み、2011年1月1日施行の現行商品先物取引法は、第214条第9号において、商品先物については国内公設取引所における取引であっても不招請勧誘を禁止した。同法施行後は、商品先物取引を巡る消費者の苦情相談は激減しており、不招請勧誘禁止が商品先物取引被害救済の決め手となったことは明白である。
  また、2012年8月には、経済産業省産業構造審議会商品先物取引分科会において、「将来において、不招請勧誘の禁止対象の見直しを検討する前提として、実態として消費者・委託者保護の徹底が定着したと見られ、不招請勧誘の禁止以外の規制措置により再び被害が拡大する可能性が少ないと考えられるなどの状況を見極めることが適当である」として、当面不招請勧誘禁止維持を確認する報告書がまとめられている。
  このように、商品先物取引についての不招請勧誘規制は、被害の多発を受けて導入されたものであり、これを撤廃すれば、商品先物取引に関する被害が再び増加するおそれが極めて高い。また、前記分科会においても規制維持の必要性が確認されているにもかかわらず、それから間もない時期において、何らの検証もなく、規制を撤廃する方向で検討することは到底容認できない。
  よって、当会は、消費者保護の観点から、商品先物取引についての不招請勧誘禁止を撤廃することに強く反対する。

2013年(平成25年)11月26日
            第一東京弁護士会 
会長  横  溝  髙  至

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