• 2012.07.05
  • 声明・決議・意見書

改正貸金業法施行2周年を迎えての会長声明

 上限金利引き下げ・総量規制を柱とした改正貸金業法が平成22年6月18日に施行されてから、満2年が経過した。その間、平成22年には約12万件だった個人破産申立件数が平成23年には約10万件に激減したことをはじめ、改正法施行の成果はめざましいものがあるというべきである。
 ところが、今般、一部で金利規制の緩和・総量規制の緩和等を求める声が上がり、貸金業法を「再改正」しようとする動きが窺われる。そして、「再改正」を求める根拠として、総量規制の実施により融資を受けられなくなった者が生活に困窮しあるいはヤミ金融に流れている、臨時の資金需要に応え切れていない、等が挙げられている。
 しかし、東京三会及び当会が開設する法律相談センターにおいてヤミ金融相談の占める比率が減少の一途を辿っているのをはじめとして、総量規制実施によりヤミ金融被害が増加したなどという客観的事実は全く見当たらない。また、臨時の資金需要に関しても、総量規制に関する現行の例外事由により十分対応可能というべきである。
 結局、貸金業法「再改正」の動きは、改正貸金業法によりこの2年間で得られためざましい客観的成果を、推測の域を出ない根拠により否定しようとするものであり、甚だ疑問と言わざるを得ない。仮に、真にヤミ金融が跋扈しているのであれば、ヤミ金融に対する取締を強化することで対応すべきであり、また、真に総量規制の例外事由によっても対応し得ない臨時の資金需要が生じるのであれば、緊急小口融資等のセーフティネットを充実させること等により対応すべきである。
 以上のとおり、貸金業法の「再改正」の根拠として挙げられている現象は客観的な裏付けを欠くものであり、また、仮に斯かる現象が真に存在するとしても、「再改正」とは別の方策により対処するのが適切というべきである。よって、貸金業法「再改正」の必要は全く無いというべきである。
 もちろん、当会としても、改正貸金業法施行の成果をより充実させるべく、法律相談体制の充実や一般市民に対する啓発活動に積極的に取り組むことを、ここに確認する。

2012年(平成24年)7月5日
第一東京弁護士会                  
会 長  樋口 一夫

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