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講演・模擬裁判等への弁護士派遣

模擬裁判当日

実際に行われた模擬裁判の写真をもとに、模擬裁判当日の流れをご説明します。
※写真協力 東京女子学園中学校、朝日中学校、桜蔭学園高等学校
<事件のあらまし>
 被害者は、仕事を終わって駅に向かう途中の公園で、2人組の男性に襲われ財布を奪われました。被害者が助けを求めようと公園の出口に歩いていくと、ちょうど警察官が2人組のうちの1人を呼び止めて話をしていました。被害者が警察官に「その人は強盗だから捕まえて!」と叫んだため、その男はその場で逮捕されましたが、もう1人の男は逃げてしまいました。その後、逮捕された男が共犯者として名前を挙げたため、被告人が逮捕され、今回の裁判にかけられることになりました。
 被告人は先に逮捕された男との関係について、幼馴染みであること、事件の直前、一緒に居酒屋で酒を飲んでいたことなどは認めていますが、居酒屋を出た後は彼と別れて家に帰ったと主張しています。
イメージ:事件のあらまし
<冒頭手続>
 刑事裁判では、証拠を取り調べる前に、以下のような手続きを踏みます。
(1)人定質問...... 裁判長が法廷にいる被告人が人違いでないかどうかを確かめます。
(2)起訴状朗読...... 検察官が起訴状を朗読します。
(3)黙秘権の告知...... 裁判長が被告人に対して「黙秘権」があることを告げます。
(4)認否...... 裁判長が、起訴状に書かれた犯罪事実についての意見を被告人と弁護人に尋ねます。今回のシナリオでは、被告人も弁護人も「起訴状に書かれている事実はない。無実である。」と主張しました。
イメージ:冒頭手続
<証拠調べ>
 冒頭手続が終わると、証拠調べを行います。証拠調べ手続は、以下のような流れで行われます。
(1)冒頭陳述...... 検察官は、証拠調べの最初に、証拠によって証明しようとする具体的な事実を陳述します。
(2)検察官の証拠調べ請求...... 検察官が、裁判所に対して提出したい(取り調べて欲しい)証拠を述べます。
(3)証拠に対する意見...... 裁判所は、被告人・弁護人に対して、検察官の証拠調べ請求に対する意見を聞きます。今回のシナリオでは、被告人に不利な内容の被害者及び共犯者の供述調書について、弁護人から「証拠として取り調べることには同意できない。」旨の意見が出されました。これを受けて検察官は、被害者と共犯者の両名を証人として尋問したいと裁判所に請求しました。
イメージ:証拠調べ
<証人尋問(被害者)>
 被害者の女性を演じたのは派遣弁護士の一人です。
 今回のシナリオでは、被告人は犯人の一人であることに間違いないこと、証拠として提出されている「テレホンカード」は、鹿児島の友人の結婚式の引き出物として貰ったものであること、警察署で被告人の顔を確認した時の状況などについて証言をしました。
 犯人と直接 接触した被害者の証言は判決の内容を大きく左右するので、検察官役・弁護人役とも熱の入った演技になりました。
イメージ:証人尋問(被害者)
<証人尋問(共犯者)>
 共犯者を演じたのは派遣弁護士の一人です。
 共犯者は、被告人と強盗を計画した時の状況、犯行時の状況、犯行後の行動などを証言しました。検察官役は証人の証言がいかに真実味を持っているかを、逆に弁護人役は証人の証言がいかに矛盾しているかを、それぞれ裁判官役に伝えようと、懸命の演技でした。
イメージ:証人尋問(共犯者)
<被告人質問>
 弁護人の申請により、被告人質問が行われました。これは、被告人自身に、今回起訴されている犯罪事実や、その前後の状況などについて質問する手続です。被告人自身の言葉も、他の証拠と同様に有罪・無罪を決めるための「証拠」となります。

 被告人を演じたのは指導担当の先生です。
 傍聴席の生徒も、先生のいつもとは違った「熱演」(?)に惹き込まれてしまいました。
 被告人は、共犯者と犯行当日、居酒屋にいたことは認めましたが、逮捕された時に持っていたテレホンカードについては、公衆電話に残されていたものを拾ったことなどを証言しました。
イメージ:被告人質問
<論告 · 求刑>
 すべての証拠調べが終了した後、検察官は起訴した犯罪事実とそれに対してどのような法律を適用すべきかについて意見を述べます(論告)。
 論告と同時に、検察官は今回の犯罪に対してどの程度の刑を科すのが相当と考えるのかについての意見も述べます(求刑)。シナリオにはこの「求刑」の具体的な数字は書かれていません。検察官役の生徒が事前に打合せをして、自分たちが「相当だ」と考える刑期の長さをシナリオに書き込みます。
イメージ:論告・求刑
<最終弁論>
 検察官の論告・求刑に対して、弁護人が最後の意見を述べます。今回のシナリオでは被告人が無罪を主張しているので、弁護人も「法廷には被告人を有罪にできるだけの証拠は提出されていない。」と強く主張します。
 裁判官に被告人の無罪を訴えられる最後の機会ですから、弁護人役の生徒の台詞も自然に熱を帯びてきます。
イメージ:最終弁論
<合議>
 裁判官役の生徒たちは別室に移って、どのような判決にすべきかを会議します(合議)。シナリオには、判決の内容は書かれていません。裁判官役の生徒が、これまでの提出された証言や証拠(被告人にとって有利なものも不利なものも全て含めて)をもとに、自分たちで悩み、考えて、判決を決めます。
 派遣弁護士もオブザーバーとして合議に参加しますが、裁判官役の生徒が壁にぶつかった時に手助けをするだけで、決して自分の結論を述べたり、押しつけたりはしません。
 「模擬裁判」とはいえ、一人の人間の有罪・無罪を自分たちの判断だけで決めなければならないのですから責任重大です。多くの学校では、予定された時間をオーバーして白熱した合議が展開されます。
イメージ:合議
<判決言渡>
 白熱した合議の結果、判決が言い渡されました。
 自分たちの主張が通った側は満足げな表情、反対に自分たちの主張が通らなかった側はがっかりです。
イメージ:判決言渡
<派遣弁護士による解説>
 最後に、派遣弁護士が模擬裁判の解説を行います。
解説では、個々の証拠や証言の評価(一見、●●は被告人に不利な証拠にも見えるが、視点を変えたり他の証拠との関係で評価すると別の結論にも結びつく、など)だけにとどまらず、実際の刑事裁判手続のポイントなどについても解説をします。
 解説の後には、質問も受け付けます。
 質問は模擬裁判の内容に限らず、広く「弁護士」あるいは「法律家」についてのものも受け付けています。
 しばしば寄せられる質問としては、「年収はどれくらいあるのか?」「明らかに真犯人と分かっている人を弁護する時の気持ちは?」など、(剛速球並みの)ストレートなものも多く、回答する派遣弁護士もタジタジです。
イメージ:判決言渡