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「法の女神テミス」像について

 第一東京弁護士会の講堂には、法の女神テミスの像が飾られています。これは昭和2年に第一東京弁護士会の初代会長であった原嘉道弁護士がドイツから取り寄せられ、第一東京弁護士会に寄贈されたものです。

 テミスはギリシャ神話に出てくる女神ですが、天の神ウラノスと大地の女神ガイアとの間に生まれた娘です。テミスはギリシャ語で「安固、不動」「自然の法則」といった意味で、転じて「掟(おきて)」「法」を意味するようになったことから法の女神と称されるようになりました。女神としては将来を問う者に予言を与える神託者の役目を果たしたこと、天空の支配権を得たゼウスとの間で、エウノミア(「秩序」)、ディケ(「正義」)、エイレネ(「平和」)の三人の子供を得たとされています。

 彼女にはオリムポスの神々のような逸話はありませんが、ティターン神族中オリムポスの神々と交わり、彼らと変わらぬ生活をなし得た唯一の神で、ゼウスの絶大な信頼の下、時に応じてオリムポスの神々を召集し、会議を主宰し、また宴席をとりしきったといわれております。世界の平和と秩序を守り正義を実現するゼウスがその化身であるテミスの意思を尊重したことは当然のことであるといわれています。

 テミスの像には左手に秤を高々と揚げた像と、剣を右手にしこれを高々と揚げた像の二つがあります。第一東京弁護士会のテミス像は後者ですが、剣に主体を置くテミス像と秤に主体を置くテミス像のどちらが正しいか議論のあるところです。

 わたしたち弁護士のバッジには秤が鎮座しています。法の本質はバランスにあり、衡平にありとして、秤の鎮座するバッジに誇りを持って着用しています。